ネイルの歴史

ネイルの歴史は古く、紀元前のエジプト王族のミイラの爪が着色されていたという話もあります。腐敗を防ぐための薬という説もありますけど…。古代のエジプトにおいて甘皮を整えたり、ルネッサンス時代には色剤を使って爪に着色するといったことがあったそうです。西欧の男女は爪を磨く週間が一般化し、マナーのひとつとなっていました。

1920年代に自動車の量産化のためにアメリカで作られた速乾性のラッカーが1930年年代のエナメル(ネイルカラー)として応用されていました。それが、ネイルの発展につながったのです。当時は淡いピンクなどのナチュラル系の色が多かったのが、しだいに社交界の女性や女優たちの間で使われた真っ赤なネイルがブームになりました。
そして、つけ爪もできました。人工的に自由に長さを変える事が出来るようになったのです。

1970年代には、つけ爪が進化。つけ爪は歯科用の材料を流用したものです。現在のようにアクリル絵の具で描いたり、ラインストーンを使って飾ったりするようになったのもこの頃…マニキュアリスト(ネイリスト)が誕生したのもこの頃。
ちょうど女性が自立して社会へ進出し、 女性の身だしなみとして注目され始めたのです。

1980年代に入ると、エナメルの爪への色素沈着を防ぐためのベースコートトップコート、爪関連の商品が多く開発されネイルショーなどが開催されました。それにともなって、アメリカでは1980年から1985年にマニキュアリスト(ネイリスト)が激増。ネイルアートは特別なことではなく、自然なおしゃれのひとつとして多くの女性に親しまれるようになっていきました。アメリカでは、日本よりも10年以上も前に進んでいたんですね!

日本ではいつから?
日本では平安時代に「つま紅」と呼ばれる鳳仙花でつくられた染料で爪を染めていました。
日本にエナメル(ネイルポリッシュ)が伝えられたのは明治40年頃と言われています。欧米からラッカー式のエナメルが輸入されました。その後、さまざまな色やラメなどが輸入されました。しかし、1980年代ころは自分でエナメルを塗るだけで、もちろんネイルケアの重要性も知られていません。ネイルアートと呼べるまでにはなっていませんでした。

ネイルアートが日本で注目せれるようになったのは、ある一人の女性の存在でした。
その女性は1988年のソウルオリンピックで短距離ランナーとして活躍した、フローレンス・ジョイナーさんです。
ジョイナーさんのステキなファッション、今までの陸上選手の イメージとはまったく違う華やかでオシャレなスタイルに日本中の女性が注目。ひときは注目されたのが、手入れのいきとどいたネイルとネイルアートでした。
そんなジョイナーさんを見た日本の女性もネイルアートに興味を持ちはじめ、専門サロンが登場。その頃マニキュアリストになった方がネイルケアの大切さやネイルアートの技術を伝え、ネイルスクールもできるようになり、1990年代後半には、たくさんのスクールや専門サロンが現在のようにでき、多くの女性がネイルアートを気軽に楽しむことができるようになったのです。